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俳優シン・ヒョンジュンが、人材育成プロジェクトを稼働させ、新年、新たな活動をスタートさせた。1990年に映画『将軍の息子』でデビューして以来、30年近く俳優としてそのキャリアを積み重ねてきた彼が、これまでの経験を活かし、俳優を目指す若者たちとの共有を試みる。今回の「シン・ヒョンジュンの演技キャンプ 人材発掘プロジェクト」は、単純に演技の方法を教えるのではない。演技のノウハウではなく、演技者になるための方法を伝えようと、準備が進められている。
※ここでのキャンプは合宿研修

シン・ヒョンジュンは、2010年より仁徳大学校、放送芸能科の教授として在籍している。俳優生活を送りながら教壇に立ち、学生たちの羨望のまなざしを一身に浴びながら彼らに教えている。現場と教壇を行き来することにより、学校で学んだことの中には、現場ではあまり役に立たないことも少なくはないことがわかる。知識として伝えるべきことだけではなく、実際に体で覚えていかなければならないこともあるのは当然のことだ。

シン・ヒョンジュンは、オーディションでは満場一致で合格したものの、実際の現場で当惑する若者たちを数多く見てきた。チャンスをつかめない、チャンスがあっても気づかない若者たち、チャンスをものにしてその力量を発揮したいと願っている若者たちに、少しでも現場で役に立つことを教えたい、それが彼の率直な気持ちだ。
「大学での講義も7年目となり、いろんなことを見て、感じてきました。私たちの学校に監督やプロデューサーたちを招いて講義をしたら、とても良かったんです。だから彼らを集めて全国にいる俳優志望の若者たちに講義を聞かせてあげたいと思っていました。このプロジェクトを世に送り出すために、とても時間がかかってしまいました。」

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「熟考を重ねるうちに、開催までに3年の月日がかかってしまいましたね。私の妻はチェリストなのですが、休暇のたびにキャンプ(研修)をしていました。考えてみれば他の芸術分野ではキャンプが頻繁に行われているのに、俳優のための演技キャンプというのは今までなかったんです。だから作らなければと思いました。以前はそんな考えは単なる私の稚拙な考えだとも思っていました。しかし今はある程度後輩たちをケアしてあげられる歳になったと感じています。」

「シン・ヒョンジュンの演技キャンプ 人材発掘プロジェクト」は、2月21日から24日までの3泊4日間、天安にある南ソウル大学校で開催される。シン・ヒョンジュンは今回のキャンプのために現役の俳優陣、監督たちに声をかけた。俳優のチェ・スジョン、ハ・ヒラ、シン・ソンウらが俳優特別講義を担い、映画『アウトライブ~飛天舞~』、ドラマ「ATHENA―アテナ―」のキム・ヨンジュン監督、映画『裸足のギボン』、『兄貴(原題)』のクォン・スギョン監督、映画『彼らの思い出(原題)』『キル・ミー』のヤン・ジョンヒョン監督、映画『トンネル(原題)』のユ・ジェファン企画プロデューサーなど、錚々たるメンバーが、それぞれ演出家としての特別講義を行う。

「駆け出しの頃、何も知らないのに、教えてくれる人もいなくて、不安を抱えていました。現場でのことは学校で教えてくれないんです。現役で活動している人々と、俳優を夢見る人たちが、一方的に教えるのではなく、双方からの疎通によって学んで行ってほしいですね。理論ではなく、本当に気になることを先輩として教えてあげたいです。『演技とはこういうものだ』と伝えることよりも、その人の個性に合ったイメージを模索して、訓練させてあげたいです。もちろん1回だけではなく、これからずっと続けていく予定です。志望生の皆さんとお会いする日が近づき、嬉しくてドキドキしています。」

今回のシン・ヒョンジュンの演技キャンプにおいて特筆すべき点は、すべての講師が現役で活動している俳優、監督、スタッフであることだ。参加者に現場の生の声を伝えることはもちろん、人脈を作る機会をも提供しようとする、シン・ヒョンジュンの粋なはからいによるラインナップだ。なかなか出会えない俳優、監督たちとの出会い、さらに講義を通して自らをアピールして、つかめるチャンスはすべて掴み取れという狙いがある。シン・ヒョンジュンが考える演技キャンプの大きな目的のひとつは、俳優を目指す若者たちが、実際に現場で仕事ができるようにすることだからだ。
「講義を聞いて良かったと思った方々を中心に、私が直接今回の講義を依頼しました。演技を学んでいる学生たちは、マネージメントや現場の状況、芸能界がどのように回っているのかなど、意外と知らないんです。私も学校で講義をしていますが、学生たちにとって重要なのは、卒業後の現場なんです。現場のシステムをまだよく知らない彼らが、現役の講師陣との交流を通して、実際に現場で活用できる情報をたくさん得ることを願っています。」

「例えば監督が『レディ・アクション!』と叫んだらすぐに演じ始めると思うじゃないですか。でも違います。約2秒くらい間をおいてからセリフを言わなければなりません。でもそんなことは学校で教えてくれないので、現場で『そんなことも知らないのか』と叱られてしまいます。」
また、数多くの芸能人たちを手掛けてきた韓国を代表するトレーナー、マッスル・ジャックがトレーニングを施し、志望生たちの良きアドバイザーとなる。

「俳優たちは、キャラクターに合わせて体を作ります。私の体を作ってくれたトレーナーのマッスル・ジャックも(今回のプロジェクトに)合流してくれました。みんな演技さえできればと良いと思っていて、トレーナーとのコラボでイメージや体を作り上げていくことはあまり知らないと思います。必要なことだけど学校では学べないことのひとつですね。」

「シン・ヒョンジュンの演技キャンプ 人材発掘プロジェクト」は、17歳以上の俳優を目指す人たちを対象としており、公式ホームページを通して、2月10日まで参加者を募集している。歳がいっているからと諦める必要はない。映画やドラマの現場ではいつも幅広い年代の俳優を必要としているからだ。スターではなく、役者になりたいからこそ、プロジェクトに参加するのではないだろうか。

「一般社会人の皆さんからたくさん問い合わせをいただき、驚きました。役者になりたかったけど、現実を考えて夢を諦めたそうです。そんな人々にもう一度チャンスを与えたいですね。自分が望むものをとことんやればこそ、後悔なく生きられるんです。」

「オーディションの機会が少ないじゃないですか。そんな皆さんの窓口をもっと開いていくために企画したプロジェクトなので、俳優の夢を咲かせたい人はいつでも歓迎です。オープンな空間なので、現役で仕事をしている人たちにも来てもらいたいですね。」

「2017 シン・ヒョンジュン演技キャンプ 人材発掘プロジェクト」を準備しながら、シン・ヒョンジュンは改めて自分自身のことを振り返っていた。彼はこれまで多くの志望生たちの中に過去の自分を見出し、彼らが流されることなく前に進めるように願ってきた。そのため彼は、長く俳優生活を送れるためのノウハウを簡単に公開することもあった。

「『将軍の息子』に出演する前、俳優になりたくて素敵な俳優たちがいる学校に通いました。俳優は学べることはすべて学ばなければなりません。でも私はひとりで走り回っていたので、時間がとてもかかってしまいました。当時は前を行くすべての役者さんが私の(メンター)師匠でした。今は活動している後輩たちも私にとっては先生ですね。長い間自分の立場を守ってきた人たちは、無条件何かを持っている人たちなんですよ。」

「演技ももちろん重要ですが、情熱がなければなりません。私がこれまでやってこられた背景には情熱があったと思います。演技者として備えるべきものについて、話したいことが山ほどあります。俳優という単語の中にたくさんのことが含まれています。犠牲、自己管理、イメージメイキングなども必要です。長い芸能活動の中で試行錯誤しながら得てきたものについて、友達のように、気さくな先輩のように、早く話してあげたいですね。」

「準備ができた俳優にならなければなりません。ある日突然キャスティングされることもあります。その時、現場を知らなかったり、上手く世渡りできなかったりしたら、1度きりで終わってしまいます。チャンスが巡ってきたとき、それをしっかりと活用できる訓練をさせるんです。チャンスはいつでもやってきます。無名俳優たちも今、みんな忠武路(映画の聖地)で主演俳優をしています。長い時間をかけて準備しながら、耐えてきたんです。個性をちゃんと出すことも重要です。二枚目ばかりが役者をする時代は過ぎました。役柄に真実を込めてしっかりと演じる人を観客は求めています。最近は観客の皆さんの目が肥えているので、形ばかりではすぐに見抜かれてしまいます。そんな鋭い観客がいるからこそ、発展してきたんです。」

シン・ヒョンジュンは、今回のプロジェクトによって、人材育成はもちろん、自身にとっても良い経験になると語った。

「音楽とファッションにも流行があるように、演技にも流行があります。それをキャッチできなければ排除されてしまいます。私が志望生たちよりもはるかに進んだところにいるとしても、志望生たちとの交流によって確実に何かを得ることができると思っています。お互いに良い機会となり、シナジー効果が生まれることを確信しています。」

「2017 シン・ヒョンジュン 演技キャンプ 人材発掘プロジェクト」は、今年から年に2回、夏と冬に開催される予定だ。さらに今後はグローバルな人材育成事業も展開することを計画している。自身の名前を掲げて打ち出すプロジェクトだけに、より一層の責任感を持って取り組む覚悟のシン・ヒョンジュン。人生の先輩、役者の先輩として、彼はますます忙しい毎日を送ることになりそうだ。

そんな彼だが、今年は俳優としての活躍も見ることができるようだ。現在、良い作品を準備中であり、「素敵な姿で大衆の前に立ちたい」と、2017年の計画を明らかにした。

「長い間、準備してきたプロジェクトがもうひとつあります。40代初めの頃、50代になったら、体を鍛えなおして本当にカッコいいアクション映画を撮りたいと思っていたんです。今準備をしているので、待っていてくださいね。」